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いつまでも子どものままで

2016〜2017の観たもの、聴いたものの感想など

2017/02/14

先日のグラミー賞Beyonceが最優秀アルバム賞などの主要部門での受賞を逃した。昨年のグラミー賞もまた、Kendrick Lamarが本命とされていながらTaylor Swiftが最優秀アルバム賞を取った。ここ数年ブラックミュージックの影響力はどう考えても見過ごせないほどに大きなものになっていて、その影響は日本の音楽にも大きな影響を及ぼしているはずだが、グラミー賞はそれを黙殺したと言える。
Beyonceの「Lemonade」は2016年の年間ベストアルバムでは軒並み上位にランクインしていた素晴らしいアルバムのようだが、僕はあまり聴かなかった。かろうじてFrank Oceanを聴いたくらいで、結局Solangeもまだ聴いていない。一昨年もKendrick Lamarのアルバムはあまり聴かなかった。英語だから理解できないんじゃないの、といわれればそれはそうなのだが、英語詞を訳す作業をしても、やはりあまり感動はなかった。いや、別にどれも音楽はカッコいいんだけど。何度も聴くかと言われるとそうでないというか…。

2017/02/11

友人に勧められて「沈黙-サイレンス-」を観に行った。アメリカの映画だが、原作は遠藤周作で、演者には著名な日本の俳優が数多く名を連ねる。
とにかくあらゆる面でクオリティが圧倒的感があって、映画に引き込まれたのはそれはそうなのだが、その一方でこの映画で描かれているテーマに対して距離をとっている、というかとらされている自分がいた。映画でなくてもなんでもいいんだけど、どんなに自分と縁のない世界を描いたものでも、どこかに自分を重ね合わせてしまう登場人物が少しくらいいたりするものだと思うのだが、そういう人物がいなかった。アンドリュー・ガーフィールド(彼が『ソーシャル・ネットワーク』で演じたエドゥアルド・サベリンは本当に好きなキャラクターだ)演じるロドリゴの葛藤にも「なんか、わかるけどなんだかなあ…」という感じがした。そして、この映画で描かれる隠れキリシタンの人々は日本人が演じているわけだけれども、ほとんど宇宙人を見ているような感覚だった。小松菜奈ちゃんは「渇き。」のときより宇宙人だった。

2017/02/02

東京タラレバ娘」第一話のエンディングが流れた瞬間は、思わず声出た。Perfumeの「TOKYO GIRLS」。
ダブステップを意識したリズムの音数の少ないイントロが鳴った瞬間に心を掴まれる。EDM的な曲の展開に何かが始まる力強さを見てしまう。「東京タラレバ娘」では「カルテット」のほうが面白いし…などと言っていてもそれでもやっぱり観てしまうのは、この曲を聴きたいがため、みたいなところもあるくらいには、好きな曲だ。
年齢設定が引き下げられたというドラマ版は、主演に吉高由里子榮倉奈々大島優子榮倉奈々は早生まれとは言え、奇しくも三人共1988年生まれ。Perfumeと同じである。そんなPerfumeが(ドラマで吉高由里子たちが「お前たちはもう女の子じゃない」と言われたあとにも)「夢見るTOKYO GIRL」と歌い切る。アラサーの女たちのエモーション、ヤバい。もし僕が女だったらこの曲を聴いて泣くと思う。

2017/01/16

西野カナが好きである。
一年前か二年前か、忘れたけれども、僕よりも少し前から、友人が「西野カナはいい」と言っていて、当時はあまり聴いていなかったし、「会いたくて震える」バイアスが強くかかっていた僕は何がいいのかわからず、実際に「何がいいの?」と尋ねた。友人は「歌唱力が素晴らしい」以上何も言わなかった。ライブ映像を見たが、さして上手いとは思わなかった。
現在のバイト先で、西野カナがよく流れるので、何百回と聴いた。そして気づいた。西野カナは歌詞がいい。あとで調べると、その歌詞の面白さに言及している記事がいくつかあり、「ああ、結構同じことを考えている人がいるんだ!」と嬉しくなった。
特に「Have a nice day!」という曲が好きである。恋に仕事に頑張る女子の歌。「夜中のスイーツラララララ/ダイエットはまた明日から」という言葉のリズム感も、歌っていることも最高だし、サビも非常に元気をもらえる。毎日同じことの繰り返しの毎日だが、なんとなく頑張ろうという気分になれた。この曲は「関ジャム 完全燃SHOW」の企画「売れっ子音楽プロデューサーが本気で選んだ 2016年のベスト10」で、いしわたり淳治が一位に選んでいた。納得のセレクトだと思ったと同時に、ちょっと上手くできすぎだ、とも思った。

2016/10/15

宇多田ヒカルの「Fantôme」に「ともだち」という曲がある。水曜日のカンパネラの楽曲にも参加している小袋成彬がフィーチャリング参加している。友人のままなら側にいれるけど、恋愛関係になりたい。でもそれを言ったらどうなってしまうのか…といった内容の歌詞で、曲のリズム感もあわせて好きだったのだが、これについて宇多田は同性愛に関する歌であると明言していると知った。その情報を知るまで、まったくそういう歌とは気づかなかったが、今度はまったく別物の歌に聴こえてきた。音楽は情報によって意味合いが変わる。それが何について、誰のために歌われているかという情報は、詞の意味を大きく変えてしまうなと思った。

2016/09/29

James Blakeの新譜を聴いた。「Meet You in The Maze」という曲がすごい。ボーカルの多重録音にエフェクトをかけまくった曲で、内省的で途方もなく美しい。「Music can't be everything.」と何度も繰り返される。音楽は全てではない。音楽は全てにはなりえない。ついでにたぶん映画も、アイドルも、テレビドラマも…「全て」になりえないんだと思う。そう考えたら、すごく悲しい気持ちになってきた。