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いつまでも子どものままで

生まれながらの主人公、いつだって前を向くスーパーヒーロー。生駒里奈

いまから「26にもなって何言ってんだ」という文章を書こうと思う。詳細に書きたいことが山ほどあるはずなのだが、興奮しているかつ眠いので、とりあえず書き殴っておく。もしかしたら後日編集しなおすかもしれない。

こないだ深川麻衣の卒業特集グラビアに釣られてBRODYを買ったのだが、生駒里奈の紹介文がすごかった。

「生まれながらの主人公。いつだって前を向くスーパーヒーロー」

というものだ。正直立ち読みで済ませようと思ったのだが、この生駒里奈の紹介として書かれた一行だけで、なんだかわけのわからない高揚感が心に生まれ、その場で購入してしまった。
この文章をBRODY編集部のどういう人がどういうつもりで書いたのか、知る由もないが、ありえんよいと思う。

生駒里奈は、「太陽ノック」で久々にセンターに返り咲いて以降はまたセンターから降りた。選抜メンバーのなかでは二列目、三列目の目立たないポジションが定着しつつある。単純にポジションだけで言えば「主人公」には程遠い。
生駒里奈は、決してかっこ良くはない。個人的にはかわいいと思ったこともあまりない。どちらかというと、ドン臭い印象を受ける。滑舌もあまりよくなく、ダンスの身のこなしもハッとさせられることはあまりない。彼女が乃木坂の顔としてセンターに立たされ続けた初期ごろにはウンコを漏らしただとか噂されていてとてもかわいそうだった。そして実際に彼女はセンターを下ろされた。一度センターに戻ってはいるものの、やはり「下ろされた」というのは事実であり、この表現が正しいと思う。センターの重圧から来る呪縛がありながら、あるいはそれがあるが故に、絶望的なまでに非難に晒されながら輝き続けた前田敦子とは違う。明らかに「スーパーヒーロー」とは言いがたい経歴だ。

なのに、生駒里奈を紹介するには「生まれながらの主人公」「いつだって前を向くスーパーヒーロー」というのが的確だ。

2016年7月18日、FNS歌謡祭において「48&46グループの最強選抜16人」での「サイレントマジョリティー」が披露された。この最強選抜においてセンターに立ったのが、生駒里奈であった。この曲はそもそもここで説明するまでもないのだが、そのオリジナルの欅坂46版においては、センター・平手友梨奈が存在感が話題を呼び、テレビを賑わせた。この曲は平手がセンターでなければ映えない。そのような前提さえあったように思う。

欅坂46 『サイレントマジョリティー』

しかし、生駒はセンターに立った。そして、奇しくも他人のふんどしならぬ「妹のふんどし」を借りた形で、最高のパフォーマンスをやり切った。
AKB48選抜総選挙で前人未到の二連覇を成し遂げた指原莉乃を、「正統派」としてグループを背負って立つ渡辺麻友を、関西NMB48のキャプテンにしてセンターでありNMBだけでなくAKBさえも牽引する存在である山本彩を、高橋みなみからのバトンを受け継ぎ48グループの総監督になった横山由依を、もはや盤石の地位を確立した小嶋陽菜を、同じ乃木坂46においては明らかに人気の西野七瀬を、雑誌の専属モデルもこなし女性からも圧倒的な支持を得ている白石麻衣を後ろに従え、オリジナルのセンターの平手友梨奈からポジションを奪い取っても、すべて許されるどころか、その場の注目をかっさらっていってしまえるのが、生駒里奈である。
とりあえずフロントメンバーと有名な名前をいくつか挙げてみたが、生駒が後ろに従えたアイドルたちは、ほかのメンバーも信じられないほど豪華である。このままの勢いで全員紹介してしまおう。「大声ダイヤモンド」で鮮烈なデビューを飾り、SKE48において絶対的なセンターでありエースである松井珠理奈渡辺美優紀が卒業した今、NMB48において「次にセンターになりうる」筆頭候補白間美瑠。名曲「何度目の青空か」でセンターに立ち、乃木坂46においてもその強烈な個性を発揮し続ける生田絵梨花。初立候補時から2016年現在まで一度も順位を落とすことなく成長し続け、いま唯一HKT48で指原に対抗しうる宮脇咲良AKB48の前シングル「翼はいらない」でセンターとなり、選抜総選挙においても若手ながら選抜入りを果たした向井地美音。センターこそ「Green Flash」でのダブルセンターの一回の経験のみだがアイドルとしてのスキルに磨きをかけ、無冠ながらスキャンダルを経てもなお総選挙上位に君臨し続ける柏木由紀。「サイレントマジョリティー」のオリジナルメンバーからは、菅井友香と守屋茜である。どちらもセンターの平手の陰に隠れがちだが、これから飛躍していくメンバーだ。48グループ、46グループのこのタイミングで登場できるベストメンバーと言っても過言ではない。ドリームチームが過ぎる。
しかも、即席のチームでありながらかなりのハイレベルなパフォーマンスである。サイレントマジョリティーの楽曲そのものの力強さと相まってか、あるいはその力強さを食ってやろうとしているのか、鬼気迫る、それでいて魅力的なカットの連続である。単独で顔を抜かれているシーンをキャプでとったら、たぶん全部ベストショットになる。それくらい、最高のメンバーが最高のパフォーマンスをした。それが昨日のFNS歌謡祭だった。
で、長くなったけど、最後にもう一度言うが、これだけの錚々たるメンバーを従えてもなお、すべて許されるどころか、その場の注目をかっさらっていってしまえるのが、生駒里奈である。あの「サイレントマジョリティー」を見て、生駒里奈が主人公でなかったら、スーパーヒーローでなかったら、一体、なんだっていうんだ。